家賃保証会社について解説! 料金や審査基準はどうなってるの!?

家賃保証会社

最近では、アパート等の賃貸住宅の契約時に家賃保証会社の審査を受けなければならないケースが増えています。

この家賃保証会社とはどのような会社なのでしょうか。

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住宅の賃借と保証人

賃貸物件を賃借する場合には、契約時に保証人(連帯保証人)の署名と捺印を用意しなければなりません。

入居希望者の年齢や職業の有無を問わず、住宅の賃貸契約を結ぶには必ず連帯保証人を必要としますが、最も簡単な方法はやはり両親に頼むことであり、仕事の都合で住宅を借りるのであれば上司にお願いする方法もあります。

ただし、両親が健在でも年齢を理由に信用されない場合もあり(年金暮らしで低収入など)、また事情により誰にも連帯保証人を頼めないと言う人もいるかもしれません。

賃貸借契約に必須! 保証人と連帯保証人の違いをご存知ですか!?
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近年では、そのような時に第3者である保証会社が連帯保証人となり、万が一の場合に入居者の代わりに家賃や退去費用の支払いを行うサービスが登場しています。

家賃保証会社とは

家賃保証会社とは、賃貸住宅の契約時に賃借人(部屋を借りる人)の連帯保証人を代行する会社のことを言います(賃貸保証会社、家賃債務保証会社とも)。

家賃保証会社は賃貸物件の賃借人と保証委託契約を結び、賃借人による家賃の滞納や入居中あるいは退去時の修繕費用の未払いが生じた場合に賃借人に代わり貸主に代位弁済を行います。

連帯保証人を用意できない場合にも家賃保証会社にそれを代行してもらうことで賃貸契約を締結できる可能性があるわけですから、何かしらの事情で連帯保証人を確保できない人にとって、家賃保証会社は非常に有難い存在と言えるでしょう。

なお、“家賃保証会社”ではなく保証代行サービス”を標榜する業者もあるようですが、事業内容を見る限り家賃保証会社と同じと考えてよいと思われます。

連帯保証人と家賃保証会社

大家や管理会社の意向により、賃貸契約時に連帯保証人と家賃保証会社との契約の両方を必要とするケースもあります。

家賃保証会社は元々は連帯保証人を用意できない人のためにサービスを行うものであり、連帯保証人がいるにも関わらずさらに家賃保証会社と契約するのはおかしいようにも思えますが、その背景には家賃保証会社はあくまでも借主の金銭債務を保証するものであり、連帯保証人に期待すべきその他事項については全く関与しないことがあるようです。

例えば入居者がゴミ出しのルールを守らず、管理会社が何度注意しても改善されなかったとして、大家や管理会社が連帯保証人を代行している家賃保証会社に注意を喚起しても基本的に彼らは何もしません。

また、入居者の迷惑行為により家賃保証会社が貸主側から注意を受けても、彼らに手数料を支払う立場、言わばお客さんである入居者が何ら申し訳ない気持ちを抱かなくても不思議でないはず。

そこで従来通り借主に近しい人物に連帯保証人を引き受けてもらい、入居者が大家や隣人に迷惑をかけると家族や友人等の連帯保証人にも迷惑がかかる、つまり入居者が迷惑行為をし難くなる環境を整えることを大家や管理会社は望んでいるのです。

金銭債務を保証する家賃保証会社とその他を引き受ける通常の連帯保証人が互いを補完する関係が整備されることで大家のリスクは大幅に軽減されることになりますが、こうして考えると家賃保証会社は連帯保証人を立てられない賃借希望者のみならず、賃貸住宅を貸す側の人間をターゲットに事業を展開しているとも言えるのかもしれません。

審査基準

業者ごとに審査の基準に違いがあるようですが、家賃保証会社は以下のような点に注目し、合否を決めているようです。

家賃保証会社の審査基準

  • 滞納経験の有無
  • 転居理由
  • 前の部屋への居住期間
  • 家賃
  • 身分証明証
  • 職業・収入

滞納経験の有無

過去の住宅の賃借における家賃の滞納経験の有無は、審査において最も重視すべき問題です。

滞納経験を持ちながらの合格はかなり難しく、同じく家賃を払えず当時契約していた家賃保証会社に支払いを立て替えてもらった事実も、審査を通る可能性を大きく減少させると考えて間違いありません。

データベース(LICC)の存在

LICC(全国賃貸保証業協会)は、代位弁済情報の収集と管理、提供、開示を行う機関であり、これに加盟する家賃保証会社は過去に誰が家賃を滞納しているのか情報を把握しています。

もちろんこのLICCに加盟している家賃保証会社に限ってのことではありますが、家賃の滞納経験がある場合は審査時に嘘をついても完全に見透かされますし、余計に相手の心象を悪くするだけなので、得策とは言えないでしょう。

転居理由

転居の理由も家賃保証会社が注目するポイントです。

仕事や通学先の変更に伴う転居であれば何ら問題ありませんが、家賃保証会社は家賃滞納や隣人とのトラブルが原因で前に住んでいた住宅を追い出された、何か裏があり以前の居住地で暮らせなくなった等の可能性を疑ってきますので、相手を納得させることができる正当な理由がない場合には少々厳しいかもしれません。

前の部屋への居住期間

前の部屋への居住期間も重要な判断基準です。

仕事の都合による転勤をはじめ、やむを得ない事情がある場合は致し方ありませんが、理由らしき理由もなく短い入居期間で前の賃貸住宅を去るとなれば、家賃の滞納やその他トラブルにより退去させられたと判断され、審査にマイナスの影響が生じる可能性を否定できないでしょう。

家賃

入居を希望する物件の家賃も大きな判断基準です。

例えば、家賃5万円の物件と10万円の物件では後者の方が支払いの負担が大きく、入居後に滞納が発生する可能性が大きくなることは言うまでもありません。

もちろん入居希望者の収入と対比して総合的に判断されることではありますが、家賃が高い物件ほどハードルが高くなると考えられます。

身分証明証

身分証明証もチェックされます。

免許証は身分を証明できるものの代表とも言えますが、再発行の回数がやたら多かったりすると、大事なものをすぐに紛失するだらしない人間(=信用できない人間)と思われてしまう可能性がありますので、注意しなければなりません。

また、保険証については国民健康保険よりも社会保険に加入している方が好印象を与えるとも言われています。

職業・収入

当たり前ではありますが、入居希望者の収入と職業も審査に大きな影響を与えます。

収入が多い人より少ない人の方が、定職に就いている人よりも無職の人の方が審査に落ちる確率が高まるのは当然のことで、同じく仕事をしていても正社員よりもアルバイトやパート等の非正規雇用者が不利なことは言うまでもないでしょう。

家賃保証会社の中には無職の人でも審査に通す業者があると聞きますが、申込み時点での貯金額や再就職の予定などを聞かれるようです。

料金

家賃保証会社へ支払う料金(手数料)は、1月分の家賃の20~100パーセントが相場であり、業者やその物件によっても差があります。

例えば、利用料金が家賃の50パーセントと仮定すると、家賃6万円の物件ならばその半額の3万円を契約時に支払いますが、2年ごとに更新料が発生するのが一般的です(更新料は契約時の支払額よりも安いことが多い)。

家賃に対する比率ではなく1万円や2万円の固定料金を設定している業者もあるようなので、詳細は契約時に確認するとよいでしょう。

注意点

入居者と家賃保証会社との間のトラブルも報告されています。

家賃の支払いが滞り入居者の負債を貸主に代位弁済した家賃保証会社は契約者(=入居者)に立て替え分の金銭の支払いを求めますが、中には早朝深夜を問わない訪問督促や鍵の強制交換、親族への支払いの強要など限度を超えた督促を行う業者も存在するとのこと。

さらに滞納が続けば最終的には家賃保証会社から裁判に訴えられることになり、入居者が事実上の強制追い出しを迫られる事案も発生しています。

家賃保証会社とのトラブルの例

  • 早朝や深夜の訪問督促
  • 鍵の強制交換
  • 家族や親族への支払いの強要
  • その他不当な支払督促

元を正せば毎月行うべき家賃の支払いを履行しないことが原因であり、入居者の過失は決して小さいものではありませんが、家賃保証会社に関する法律が存在しないことをいいことに不当とも言える取り立て行為が横行していることも、理解しておかなければなりません。

トラブルを避けるために

賃貸物件の賃借を希望する人にとって、身内や友人に代わり連帯保証人を引き受けてくれる家賃保証会社は本来は有難い存在であるべきですが、その家賃保証会社との間にトラブルが発生してしまっては、それこそ最悪の事態と言えます。

上記のようなトラブルを避けるためには、万が一の場合に悪質な取り立てを行うような業者を利用しないことが重要なので、賃貸契約時に家賃保証会社を選択できる場合は管理会社に相談し、最も信頼できる業者を選ぶとよいでしょう。

最も良いのは第3者である家賃保証会社に頼ることなく、親族や友人に連帯保証人を引き受けてもらうことですが、それが無理な場合にはとにかく毎月の家賃の支払いを確実に履行し、問題が発生しないように努力することだと思います。

終わりに

今回は家賃保証会社について解説してきました。

連帯保証人を立てることが困難な人にとって、家賃保証会社の存在は非常に有難いものですが、いずれにせよ家賃を滞納することなく、月々の支払いを確実に履行しましょう。

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