私は猫を6匹飼っており、しばしば動物病院を訪れるのですが、“愛猫が嘔吐している”と心配そうに来院される方に遭遇することも少なくありません。
飼い主にとってこれほど不安なことはありませんが、今回はこの猫の嘔吐について投稿しようと思います。
猫と嘔吐
病気をはじめ、中毒、誤食、毛玉を吐き出すためなど、猫の嘔吐には様々な原因があると言われています。
その原因によってそれほど心配が要らない場合もあれば、すぐに獣医に診せなければならないケースも考えられるのですが、詳細を以下で解説していきましょう。
- 病気
- 中毒
- 誤食
- 毛玉を吐き出している
毛玉対策
ご周知の通り猫はとても綺麗好きな動物で頻繁に毛繕い(グルーミング)を行うため、自らの体毛を飲み込んでしまうことも少なくありません。
そこで飲み込んだ毛玉を吐き出すために嘔吐すると言われていますが、消化器官に大量の体毛が溜まってしまっては大変なわけで、その防止を図ることは極めて合理的であると妙に納得できてしまいますね。
嘔吐したものが毛玉のみで、元気や食欲がないなどの特段の症状がないのであれば、特に心配は要らないでしょう。
病気
やはり、嘔吐の背景に何かしらの病気の存在がある場合もあります。
単に吐くのみならず、下痢をしている、食欲がない、ぐったりしているなどの症状が見られる場合は愛猫の体に何か不具合が生じていることが疑われますので、獣医の診断を仰がなければなりません。
場合によっては一刻を争う事態も考えられますから、迅速な対応が求められます。
中毒
中毒症状により猫が嘔吐している可能性もあります。
猫に食べさせてはいけないものとして有名な玉ねぎはもちろん、ユリ科の花、チョコレートなど、私たちの身の回りには猫にとって危険な食べ物が多く存在するため、愛猫が誤ってこれらを食べてしまわないとも限りません。
特に、玉ねぎや花による中毒が重篤化した場合には下痢や元気が無いなどの症状が顕著に見られますので、すぐに獣医に診せるようにしましょう。
誤食
こちらよく報告されるのですが、輪ゴムや糸くず、ボタン電池などを誤って猫が飲み込んでしまう事故が発生することもあります。
飲み込んだ異物が喉や食道を塞いでしまっては大変ですから、当然ながら猫はそれそ吐き出そうとすることに…。
その結果嘔吐が起こるわけですが、この場合も毛玉を吐き出す時同様に意図的に嘔吐していると表現するのが正しいのかもしれません。
嘔吐に加え猫が苦しそうにしている時は誤食を疑い、すぐに動物病院へ連れて行くようにして下さい。
毎日吐く場合
愛猫が毎日の様に嘔吐しているとなれば、飼い主にとってこれほど心配なことはありません。
既に述べた通り、嘔吐に加えて元気がない、下痢をしているなどの症状が見られる場合にはやはり病気が疑われますから、すぐに獣医に診せることが必要です。
その一方、毛玉を吐き出すと言う猫の性質のせいか頻繁に嘔吐する猫がいることも事実であり、近所の獣医曰く“特に異常がないにも関わらず毎日吐く猫もいる”とのこと。
この場合は人間で言うところの“体質の問題”とでも言うべきでしょうか…。
私が飼っている猫も日常的に嘔吐するものの、食欲もありとても元気でなのですが、この様なケースでは大きな心配は要らないようですね。
注意点
最も大事なことは、“普段との違い”を見つけることです。
毎日のように嘔吐していてもそれ以外の症状がなければその猫の体質上の問題と考えることができる一方、日頃吐いたことがない猫が突然嘔吐しているとなればその体に何かしらの異常が発生している可能性を否定できません。
病気の早期発見にとって、普段から大切な愛猫をよく観察しその特徴を把握することが何よりも大事であることを最後に確認しておきたいと思います。
終わりに
猫の嘔吐について話をまとめれば、吐いていても大丈夫な場合とそうでない場合があることが最大のポイントと言えます。
嘔吐以外の症状や愛猫の普段の様子との違いに注目し、何かおかしいと感じた場合にはすぐに獣医に診せるようにしましょう。
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