ペットとして亀を飼われている方も多いと思いますが、大切な亀さんが餌を食べてくれず不安な思いをされることはないでしょうか?
私は1匹のミドリガメを30年間飼い続けていますが、今回はその経験も含め、亀が餌を食べない原因とその対処法を解説しますので、是非お読みいただければと思います。
食欲低下の原因
亀さんの食欲が低下する理由としては様々なことが考えられるのですが、水温の低下や水質の悪化はその原因の代表例であり、よく起こりがちなことでもあります。
その他、亀さんの餌の好みに起因する場合や産卵が影響している可能性もあるのですが、考えられる事項を順に解説していきましょう。
- 水温が適切でない(温度が低過ぎる)
- 水が汚れている
- 照射日光の不足
- 亀の嗜好の問題(餌の好み、同じ餌に飽きる)
- 産卵の影響
不適切な水温管理
最もありがちな原因がこちらですが、水温が低過ぎると亀は餌を食べません。
と言うのも、亀は人間と違い体温を一定に保つ機能を持たない(変温動物)ため、水温が下がれば代謝も下がってしまい、餌を消化・吸収することができなくなってしまうのです。
そんな状況では餌を受け付けなくなるのも当然ですが、亀さんが最も活発に活動できる水温は“25~29度”と言われていますので、是非ともこの水温をキープしたいところ。
具体的な対策としては、何もせずともこの温度を保つことができる夏場を除いては、ヒーターを使用し水温を管理するのが望ましいでしょう。
水の汚れ
続いては水質の悪化ですが、水が汚れてしまっては亀さんが気持ち良く食事をすることができないのも当たり前。
特に成体の亀は一定の期間餌を食べなくても平気なこともあり、食事をしなくなるのです。
もちろん、冬眠中でもない限り永遠に餌を食べずに生きることは不可能ですから、水質が悪化しているのであればすぐに水を交換して亀さんに食事を促しましょう。
このような事態を防ぐためにも常に水質をきれいに保ちたいところですが、私は少なくとも2~3日に1度、汚れがひどければ毎日でも水を交換するようにしています。
照射日光の不足
これを否定する意見も存在するようですが、一般には亀の正常な代謝には日光が必須と言われています。
よって、照射日光不足により食欲が低下している可能性がありますので、天気の良い日を選び定期的に日光浴をさせてあげましょう。
ただし、冬場など極寒の中では亀の体温が下がり逆効果になりかねませんし、真夏の高温時には熱中症にかかってしまう恐れもありますので、冬場にはバスキングライトを使用する、夏場には日陰を用意してやるなど温度の管理が求められます。
やはり25~30℃を目安に温度を整えてあげて下さい。
嗜好の問題
意外にも、亀さんの嗜好の問題により餌を食べなくなることがあります。
驚かれる方も少なくないと思いますが、亀はなかなかのグルメで、気に入った餌ばかりを食べる傾向があり、こうなるとそれ以外の餌を与えても全く反応しないことに…。
さらに餌の好みが変わることもあり、最近私の亀さんも以前全く食べなかった餌を好んで食べるようになりましたし、逆に今以前の餌を与えても全く食べようとしません。
以上のことを踏まえ、普段と違う餌を与えてみる、あるいは特に好んで食べる餌を選んで食べさせてみるなど、餌の与え方を工夫することで問題を解決できる可能性があることをご理解いただきたいと思います。
産卵の影響
こちらはメスの成体に限られますが、産卵の時期に亀さんの食欲が低下することはよくあることです。
食欲が落ちると言うよりも全く食べなくなると表現するのが正しいかもしれませんが、この時亀さんは産卵場所の確保に全神経を集中しているため食事どころではありません。
大抵の場合は水槽から脱走しようと暴れていると思いますが、これは正常な現象であり過度の心配は不要で、無事に卵を産み終われば再びもの凄い勢いで餌を食べるようになるはず。
この大暴れ期間は夏場を中心として水温が暖かい時期に(ヒーターで水温を保っている場合は年中)1~2週間ほど続き、場合によっては一旦収まってから再び暴れ出すこともあります。
いずれにせよ、産卵が近い証拠と考えて間違いないでしょう。
対処法
亀が餌を食べない場合の対処法については、その原因のところでも解説した通り、温度や水質などの亀さんの生活環境を整えてやることが最優先事項と言えます。
亀さんが気持ち良く生活できてこそ食欲も出てくるわけですから、これらが原因と考えられる場合には温度や水質の管理を見直してみて下さい。
また、こちらも既に述べた通り、普段と違う餌を与えてみることも有効ですが、市販の餌よりも鶏肉などの加工されていない餌を好む亀さんも少なくありません。
私も実践している方法なのですが、“鳥の胸肉やささみを軽く湯がいたもの”は亀さんの大好物ですので、ぜひお試しいただければと思います。
病気の可能性
まずは今回ご紹介した事項をご確認いただきたいのですが、病気が原因で亀さんの食欲が落ちている可能性もゼロではありません。
私のように長年亀を飼育しているのであれば餌の嗜好や季節ごとの食欲の変化を十分に把握することができますし、これまでの経験からもある程度安心していられるのですが、不安な場合は早めに病院に連れていくのも1つです。
特に、初めて亀を飼われた方や亀さんが幼体である場合には、迅速に獣医に見てもらうことに勝る方法はありませんので、迅速に行動しましょう。
終わりに
今回は亀が餌を食べない原因と対処法についてお話ししてきましたが、大切な亀さんの食欲が低下して不安に思われている方のお役に立てれば、これ以上嬉しいことはありません。
ぜひ、今回ご紹介した方法を実践していただきたいと思います。
コメント
かめは 少しマグロと鮭の切り身とニンジンの細切れを与えたのですが⁉️大丈夫でしょうか⁉️