親知らずをはじめ、抜歯を経験したことがある人も多いと思いますが、麻酔が切れた後の腫れと痛みが何ともつらいですよね・・・。
患部を冷やすと良いと言う人も多いようですが、本当に効果的なのでしょうか。
腫れの原因
まずは、抜歯後に患部が腫れる原因を確認しておきましょう。
抜歯後の腫れの直接の原因は、抜歯によりダメージを受けた部分からの内出血であると言われています。
抜歯により障害を受けた血管の外に血液成分が染み出して来る(滲出液)のですが、それらが組織内に集まることで、頬が腫れた状態になると言うわけですね。
炎症
抜歯後の患部の腫れは、炎症が起きていることを意味します。
ここで言う炎症とは、身体が刺激を受けたことに対して起こる免疫応答のことを指しますが、身体を守るための正常な反応であることも事実。
炎症と聞くと悪いイメージがありますが、私たちの身体がしっかり機能していることの裏返しでもあるのです。
考えてみれば、つい先ほどまで身体の一部だった歯が強制的に取り除かれたのですから、当然と言えば当然か・・・。
血液成分の滲出は炎症の第1段階と言われていますが、次に白血球が血管外へ滲出し、感染を防ごうと頑張ってくれます。
こうして考えると、抜歯後の患部の腫れは私たちの身体が正常に反応した結果であると言えるでしょう。
冷却の効果
患部を冷やすことで、腫れや痛みが和らぐ傾向にあるようです。
炎症時の腫れや痛みは血管が拡張することによる血流の増加が原因とされていますが、患部を冷やすことでこれを抑えることが可能。
これは、毛細血管の拡張の抑制により血流の減少が起きる影響と考えられますね。
しかし、炎症が身体の正常な反応であることを考えれば、その正しい働きを抑制する行為であることも事実。
結果、治癒が後れてしまう可能性を否定できないのです。
痛みや腫れをどうしても我慢できないのであれば仕方ないと思いますが、その場合も、水で濡らしたタオルで患部を覆う程度にとどめておきましょう。
氷で頰を冷やすようなことは、オススメできません。
放置
以上のことを踏まえれば、抜歯後は患部に余計な刺激を与えることなく、”放置”するのが最良の方法ではないでしょうか。
私たちが持つ自然治癒力に任せるのです。
このように指導する歯医者さんも多く、私が親知らずを抜歯した時も、患部を冷やす場合には冷やし過ぎないよう注意されました。
逆に温めることもしないように言われましたが、ここまで書いてきたことを顧みても、当然のことと思えますね。
処方された痛み止めを飲むことで痛みを和らげることが可能ですし、抗生剤の服用により細菌類の感染のリスクを下げることも可能。
それ以外の余計なことはせずに、自然に過ごすようにしましょう。
終わりに
抜歯後、患部に余計な刺激を与えないことが最も大事であることを、ご理解いただけたでしょうか。
腫れや痛みが出ても、焦らず、自然な反応なのだと自分に言い聞かせるようにしましょう。
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