落書きされた政治活動用ポスターや選挙ポスターを見かけることがありますが、ポスターへの落書きが立派な犯罪行為であることをご存知でしょうか。
今回は、その根拠や罰則を解説します。
落書きは犯罪
政治活動用及び選挙運動用ポスターへの落書きは、器物損壊罪に該当する恐れがあります。
選挙運動用ポスターへの落書きは、器物損壊のみならず、選挙の自由妨害罪にも該当しますが、この場合は観念的競合により最も重い刑により処罰されることになりますので、後者の罰則である4年以下の禁錮又は100万円以下の罰金刑に処せられます(公職選挙法第225条第2号)。
政治活動用ポスターへの落書きは器物損壊罪、選挙運動用ポスターへの落書きは公職選挙法違反に問われると覚えておきましょう。
犯罪行為である以上当然ですが、政治活動用及び選挙ポスターへの落書きにより犯人が逮捕された事例も少なからず存在します。
政治活動用・選挙ポスターへの落書きと罰則ポスターの種類 | 罪名 | 根拠 | 罰則 |
政治活動用 | 器物損壊罪 | 刑法第261条 | 3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料 |
選挙運動用 | 公職選挙法違反 | 公職選挙法第225条 | 4年以下の禁錮又は100万円以下の罰金 |
破壊もNG
言うまでもなく、ポスターの破壊や損傷も犯罪であり、落書きと同様に処罰されます。
ポスターを切り裂く、破り捨てる、爪で引っ掻くなどの行為は全て器物損壊罪に該当する恐れがありますので、絶対に行ってはいけません。
特に政治活動用のポスターについては、“勝手に家の塀等に貼られたものを剥がして破り捨てたところ器物損壊罪に問われてしまった”、と言う事案が発生しないとも限りませんので、慎重な対応が求められます。
剥がすだけならセーフ?
政治活動用のポスターを剥がしただけで器物損壊罪に問われることはありませんが、選挙管理委員会が設置した掲示板に掲示された選挙運動用のポスターについては、掲示板から剥がす行為そのものが選挙の自由妨害罪に該当します。
もちろん、政治活動用のポスターであっても正当な理由もなく掲示されるポスターを剥がす行為は許されません。
器物損壊罪に問われることがないにしても、意味もなくポスターを剥がすことは厳禁です(自宅の塀等に勝手にポスターを貼られた場合は例外)。
まとめ
政治活動用及び選挙運動用のポスターへの落書きは立派な犯罪です。
もちろんポスターを破り捨てるなどの破損行為も同様の罪に問われますので、絶対に行わないようにしましょう。
まとめ
- 政治活動用ポスター・選挙運動用ポスターへの落書きは犯罪行為である(破損も同じ)
- 政治活動用ポスターへの落書き(破損)は器物損壊罪に該当する
- 選挙運動用ポスターへの落書き(破損)は公職選挙法違反に該当する
終わりに
今回は、政治活動用並びに選挙運動用ポスターへの落書きについて投稿しました。
これらポスターへの落書き及び破損行為は立派な犯罪行為ですから、絶対に行わないようにするとともに、万が一その行為を発見した場合は警察に通報することで、公平かつ公正な選挙の実現に貢献することができます。
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