規模が大きな郵便局にはゆうゆう窓口が設置されていることが多いですが、皆さんは同窓口で受けることができるサービス内容をご存知でしょうか。
今回は、ゆうゆう窓口が行う業務内容や郵便窓口との違いを解説します。
ゆうゆう窓口
ゆうゆう窓口は日本郵便が運営する窓口で、保管郵便物の受け渡しや郵便物の差し出し、ハガキの販売などを業務としています。
土日祝日や夜間など、郵便局の窓口が開いていない時間に営業していることはゆうゆう窓口の最大の特徴であり、かつて“時間外窓口”と呼ばれていた経緯もあって、“ゆうゆう窓口=時間外窓口”と理解されている方も多いのではないでしょうか。
現在では郵便局の窓口(郵便窓口)が開いている時間にもゆうゆう窓口が営業しているのですが、以下で具体的な業務や営業時間などの詳細を解説します。
設置される店舗
ゆうゆう窓口は、各地域の総合拠点とされる郵便局に設置されています。
ここで言う総合拠点とされる局とは、原則としては各市町村で最も大きな局と考えてよいですが、複数の市町村に1つの総合拠点が置かれるケースもあり、その場合はゆうゆう窓口の利用に隣の町まで移動しなければなりません。
かつては地域の小さな局にもゆうゆう窓口が設置されていたものの、2007年に行われた郵政民営化に向けて廃止され、ゆうゆう窓口は地域の拠点となる大きな局にのみ置かれることになり、現在に至ります。
なお、日本郵便のホームページで実際にゆうゆう窓口が設置される郵便局を検索することができますので、ぜひご利用ください。
営業時間
ゆうゆう窓口の営業時間はその店舗ごとに異なりますが、郵便局の営業開始時間の1時間前から窓口が開き、郵便局の営業終了後1時間後に窓口が閉まるパターンが多いようにも思えます。
特に大きな都市にある郵便局局に設置される窓口など、中には24時間営業しているゆうゆう窓口もあります。
それぞれの窓口の個別的な営業時間を知りたい場合は、先ほどご紹介した日本郵便のゆうゆう窓口検索ページを確認しましょう。
業務内容
ゆうゆう窓口の業務は保管郵便物等の受け渡し、郵便物の差出し、ハガキや切手、収入印紙の販売などであり、利用者は郵便局の通常窓口(郵便窓口)とほぼ同じサービスを受けることができますが、書き損じハガキや切手の交換、お年玉付き年賀ハガキの景品交換には対応していません。
また、郵便窓口が営業している時間帯とそうでない時間帯によりゆうゆう窓口が担当するサービスに違いがあることにも注意が必要です(詳細を後述)。
ゆうゆう窓口が行うサービス
- 保管郵便物等(不在持ち帰り、局留めの荷物など)の受け渡し
- 郵便物の差し出し(手紙、電子郵便、国際郵便物など)
- ゆうパックの差し出し
- 切手、ハガキ、収入印紙の販売
- 各種申請書類や届け出の受付(不在届やあて名変更請求など)
- 私書箱の設置
時間帯による担当窓口の違い
郵便窓口とゆうゆう窓口が併設される郵便局では、郵便窓口が開いている時間帯はゆうゆう窓口が保管郵便物等の受け渡しと支店への申請書類や届け出の受付けを業務とし、それ以外のサービスを郵便窓口が担当します。
郵便窓口が営業しない時間帯にはゆうゆう窓口が郵便物の引受、切手やハガキの販売、収入印紙の販売など郵便窓口と同じ業務を行いますが、実際には夜間や土日祝日に限定されると考えてよいでしょう。
時間帯ごとのゆうゆう窓口の業務内容郵便窓口の営業時間外 | 郵便窓口の営業時間内 |
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ただし、郵便窓口が設けられていない支店では、これらの業務全般をゆうゆう窓口が、通常であれば郵便窓口が担当する時間帯に行うケースがあります。
郵便窓口
郵便局の中で郵便に関する業務を行う窓口が郵便窓口です(“通常窓口”とも)。
郵便窓口が行う業務はゆうゆう窓口とほぼ同じで、前述の通り郵便窓口の営業時間内には主要な窓口業務をこちらが担当しますが、くじ付き郵便ハガキの景品交換、書き損じハガキと切手の交換は郵便窓口のみが行うサービスであり、ゆうゆう窓口では対応できません。
また、両窓口が併設される店舗において、郵便窓口では不在持ち戻りのゆうパックや保管郵便物の受け渡しを行っておらず、これらのサービスを受ける場合はゆうゆう窓口を利用することになります(ゆうゆう窓口がない局では郵便窓口で保管郵便物等の受け取りが可能)。
ちなみに、現在では日本郵便の窓口部門が郵便窓口の運営を担当しています。
両窓口の違い
サービスの違い
ゆうゆう窓口と郵便窓口の業務はほぼ同じであるものの、くじ付き郵便ハガキの景品交換と書損じハガキや切手の交換は郵便窓口のみが、保管郵便物等の受け渡しと各種申請書類の受付けはゆうゆう窓口のみが対応しています(両窓口が併設される店舗)。
郵便物、ゆうパックの差し出し、切手やハガキの販売などは両窓口の共通業務ですが、郵便窓口が営業している時間帯には郵便窓口がこれらを担当しますのでご注意ください。
両窓口の業務の比較郵便窓口のみ対応 | ゆうゆう窓口のみ対応 | 両窓口が対応 |
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担当部門の違い
郵便窓口、ゆうゆう窓口のいずれも日本郵便(日本郵便株式会社)によって運営されていますが、郵便窓口は同社の窓口部門が、ゆうゆう窓口は集配部門が担当しています。
2007年10月1日の郵政民営化により、以前は日本郵政公社によって運営されていた両窓口のうちの郵便窓口を“郵便局株式会社”が、ゆうゆう窓口を“郵便事業株式会社”が運営することになり、それぞれの窓口が別々の会社によって運営される状態が5年間続きました。
その後、民主党政権における郵政民営化の見直しを経て、2012年10月1日に郵便局株式会社と郵便事業株式会社が合併し、そこで誕生した“日本郵便株式会社(通称日本郵便)”が郵便窓口とゆうゆう窓口の両方を運営する仕組みが発足して現在に至ります。
よって、現在では部門こそ違えども郵便窓口とゆうゆう窓口のいずれも日本郵便によって運営されているわけですが、両窓口が1つの企業によって運営されるという点では国営時代と同じ状態に戻ったと言えるのかもしれません。
郵便窓口とゆうゆう窓口の運営企業郵便窓口 | ゆうゆう窓口 | |
~2007年10月1日 | 日本郵政公社(国営) | |
2007年10月1日~2012年9月30日 | 郵便局株式会社 | 郵便事業株式会社 |
2012年10月1日~ | 日本郵便株式会社 |
まとめ
ゆうゆう窓口は郵便局に併設され、郵便物の受付や切手の販売など郵便窓口と同様の業務を行いますが、郵便窓口が営業している時間帯は保管郵便物等の受け渡しと各種申請書類の受付を担当し、郵便窓口が営業していない時間帯にその代行業務を行います。
また、特に両窓口が併設される店舗においては、保管郵便物等の受け渡しや各種申請書類の受付などゆうゆう窓口でしか行わない業務があることも覚えておきましょう。
まとめ
- ゆうゆう窓口は日本郵便によって運営されている
- ゆうゆう窓口は郵便窓口が開いていない時間にその業務を代行する
- 郵便窓口では行われず、ゆうゆう窓口のみが対応する業務もある(逆もある)
終わりに
今回は、郵便局に設置されるゆうゆう窓口について、そのサービス内容や郵便窓口との違いを解説しました。
特にゆうゆう窓口と郵便窓口の関係は少々複雑ですが、覚えておいて損はないと思います。
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