隣の家賃が値下げ! 自分が住んでる部屋も値下げ交渉できるの!?

隣の家賃が値下げ

賃貸住宅にお住いの方の中には、自分の部屋はそのままなのに隣の部屋の家賃が下がってショックを受けた経験はないでしょうか。

今回は、入居中の家賃の値下げ交渉について投稿します。

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契約は部屋ごと

住宅の賃貸借契約は物件ごとに個々に行われるものであり、同じ建物でもその部屋によって家賃や初期費用等の入居条件が異なることは決しておかしな話ではありません。

その地域の相場に合わせて家賃は変動するものですし、需要により家賃だけでなく礼金の額が増減する場合もあります。

例えば新シーズンが始まる3~4月は賃貸住宅の需要が増えるため、入居希望者にとって不利な条件が提示される可能性が大きいと言えるでしょう。

もちろん部屋の間取りや階など部屋ごとの条件によって家賃に差が生じることもありますが、それ以上に大家は家賃の相場や需要の増減を厳しく見極めていますから、“入居募集ページを見たら隣の部屋の家賃が自分の部屋よりも安くなっていた”と言うことも当たり前のように起こり得るのです。

分譲マンションの場合

部屋の間取りや居住する階、入居時期、地域の相場に関わらず家賃に差が生じることもあります。

例えば分譲マンションは部屋ごとにオーナーが異なりますし、賃貸マンションでもその部屋によって所有者が異なるケースがあります(分譲型賃貸住宅)。

入居中でも交渉できる

(借賃増減請求権)

建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

借地借家法第32条第1項より

もともと隣の部屋の家賃よりも自分の部屋の家賃が高い場合、隣の部屋の家賃が急に値下げされた場合など、同じ建物に住んでいるのに支払い条件に差があるとなればとても納得できず、不満を感じるのも当然でしょう。

そんな時は思い切って大家さんに値下げ交渉をするのもよいかもしれません

と言うのも、借地借家法第32条第1項にて、当該賃貸住宅の家賃が①土地や建物に対する税の負担の増減、②建物の価値やその他経済事情の変動、③近くの賃貸住宅の家賃との比較により不相当となった時には当事者が家賃の増減を請求できると規定されているのです。

同条文では入居者による家賃の減額交渉と貸主による家賃の増額交渉のいずれも認められていることがポイントでもありますが、入居中に家賃の値下げ交渉を行うことが法律で認められているわけですから、隣の部屋と比較して自分の部屋の家賃が不当に高いと思われる場合には、積極的に交渉するべきと言えるのではないでしょうか。

Point

入居中でも家賃の値下げ交渉は可能

交渉のポイント

入居中に家賃の値下げ交渉が可能とは言え、その要求を受け入れるも拒否するも大家の自由です。

仮に話がまとまらない場合、究極的には裁判に決着を委ねることになりますが、住宅賃借の家賃の値下げをめぐり相手を提訴することが入居者にとって合理的な行動とは言えないでしょう。

言い換えれば、入居者が家賃に不満を持ち、家賃の減額を請求したにも関わらずそれを拒否された場合に取るべき行動は新しい賃貸住宅へ引っ越すことであり、これこそが大家が最も恐れていることなのです。

よって、経済的に現行の家賃では厳しく、なおかつ隣の部屋の家賃が自分の部屋の家賃よりも安いことには承服できない旨を伝えることの意義は小さくありません。

入居率が悪い地域ではこれが特に効果的で、是が非でも繋ぎ止めておきたい入居者に退去されるとなれば次に新しい入居者が見つかる保証はどこにもありませんから、大家が譲歩して入居者の要求に応じる可能性は十分にあると考えられます。

Point

隣の部屋の家賃が下がったら交渉のチャンス

自動的に下がる場合も

値下げ交渉をすることなく、自動的に家賃が下がることもあります

私も賃貸を経営しており、実際にそのように対応する場合があるのですが、1つの部屋の家賃の値下げと同時または順を追って他の部屋の家賃が値下げされるケースがあるのです。

空室の状態が一定の期間継続した場合、当然ながら大家は家賃を下げて入居者を募集しますが、どこかのタイミングで入居者がその事実を知る可能性があり、遅かれ早かれ家賃の値下げを請求される可能性がありますし、最悪の場合はそこで機嫌を損ねた入居者が退去してしまう可能性もゼロとは言えないでしょう。

特に私が物件を構える地域は先の大震災による復興需要が消滅しつつあり、賃貸経営が非常に厳しい状況にあるだけに、最悪のパターンに陥るリスクを軽減すべく先に手を打とうと言う考えです。

すぐに値下げした部屋と同じ金額まで値下げをすることが困難な場合は段階的に家賃を下げ、最終的に全ての部屋の家賃が最初に値下げした部屋の家賃と一致するよう努力していますが、気を良くした入居者が長く入居してくれる可能性もありますので、大家にとっても一定の合理性がある対応と言えるのかもしれません。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

入居中でも家賃の値下げ交渉を行うことができますが、特に同じ建物の他の部屋の家賃が下がった時は値下げ交渉の絶好のタイミングですので、ぜひチャレンジしてみましょう。

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