エスカレーターの片側空けと歩行はNG!? 最新マナーをチェック!

エスカレーターのマナー

皆さんはエスカレーターの正しい乗り方をご存知でしょうか。

ステップの上を歩いてもよいと言う意見と歩いてはいけないと言う意見があり、どちらが正解なのかわからない人も多いと思いますが、今回はエスカレーター利用の最新マナーを解説します。

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歩くのはNG

我が国ではエスカレーターの利用者が片側に立ち、先を急ぐ人たちのために反対側スペースを空けておく“片側空け”が慣例化しているようにも思えますが、実際には“歩行禁止”がエスカレーターの利用における最新ルールとなりつつあります

その証拠としてJR東日本が2018年12月17日から2019年2月1日まで“エスカレーター歩行防止対策”を実施していますし、日本エレベーター協会は9年前の2010年から、“みんなで手すりにつかまろうキャンペーンを”実施して片側空けを行わないようにアナウンスしているのです。

ホームの混雑回避を目的に各鉄道会社が片側空けを推奨した時期もあり、かつてはJR東日本も“エスカレーターでの歩行はあくまでもマナーの問題で歩くなと強制することはできない”との立場をとっていましたが、そのJR東日本が歩行をやめるようにアナウンスしていることは、歩行禁止が最新のマナーであることを象徴する出来事と言えるでしょう。

片側空けの歴史

エスカレーターの“片側空け”はイギリスが発祥地らしく、第2次世界大戦中に混雑を回避する目的で始まったと言われています。

その後日本にも導入されて1980~90年代以降に全国的に普及したそうですが、2000年代になると再考の動きが活発化し、2010年以降はエスカレーターの片側空けと歩行を行わないことがマナーとなりつつあります。

片側空けの歴史
第2次世界大戦中イギリスで発祥
1960年代日本に導入
1980~90年以降片側空けが全国的に普及
2010年以降片側空けの禁止運動が活発化

歩行禁止の理由

エスカレーターの片側空けを行わないことが最新のマナーとされる背景には、以下の理由があるようです。

片側空けと歩行を禁止する理由

  • 安全基準上の問題
  • 事故の防止
  • 利用者の声を反映

安全基準上の問題

エスカレーターの安全基準は立ち止まって利用することを前提としており、ステップ上を人が歩くことを前提としていません。

例えばエスカレーターの勾配は30度が標準で公共の階段よりも急ですし、ステップの高さと奥行きも階段よりも大きくつまづきやすい構造をしています。

また、標準サイズのエスカレーターのステップ幅は約1メートルと公共の階段よりも狭く、ステップ上での追い越しを想定していないのです(公共の階段の幅は1.4メートル以上)。

ステップの幅については1つのステップに2人が乗り、それぞれの手すりにつかまることができるように敢えて狭く設計されており、この点1つを採ってもステップ上での追い越しが本来のエスカレーターの利用方法を逸脱していることは明らかでしょう。

なお、エスカレーターのステップ幅には幾つかの規格がありますが、ステップ幅が60センチのエスカレーターは1つのステップに1人が乗ることを前提としています。

事故の防止

安全基準の問題と直接関係することですが、事故を防ぐためにもエスカレーターのステップを歩かないことが大切です。

2017年度にJR東日本の駅に設置されているエスカレーターで発生した転倒事故等の件数が180件、同じく2013年までの3年間に東京消防庁管内で3865人がエスカレーターの事故により緊急搬送されているとの報道もありますが、ステップ上の歩行が事故発生のリスクを大きくすることは言うまでもありません。

既に述べた通りエスカレーターのステップは高さと奥行きが階段よりも大きく勾配も急ですから、歩行中にバランスを崩して転倒する可能性を否定できませんし、混雑時には周囲の人を巻き込んでの大事故に発展する恐れもあります。

2020年には東京オリンピックとパラリンピックが開催され、駅やデパートなどのエスカレーターが混雑することが予想されますから、不慮の事故を防ぐためにも片側空けとステップ上での歩行禁止の徹底は必須と言えるでしょう。

利用者の声を反映

エスカレーターの片側空けが禁止されつつある背景には利用者の声もあるようです。

エスカレーターのステップを歩く行為をやめるべきと考える人が増えているようで、日本エレベーター協会が2013年度に行ったアンケートで67.8パーセントの人が歩行をやめるべきと回答したのに対し、2017年度には70.6パーセントの人が同様の回答をしたとのこと。

また、病気や障害により下半身が不自由な人が自身の右側を歩く人がいることを不安に思うケースも少なくないようで、エスカレーターの片側空けが禁止されつつある背景にはこのような意見が反映され始めていることもあると思われます。

法律や条例による規制は?

現在、エスカレーターの利用方法を規定する法律や条例は存在しません

よってこのことが時には鉄道会社が片側空けを推奨したり、時代が変わって今度は片側空けを禁止しようにも説得力に欠け、なかなか認知されない原因になっていると言うこともできます。

ただし、少なくとも現在では日本エレベーター協会や鉄道会社をはじめ様々な団体がエスカレーターでの片側空けと歩行を行わないように啓蒙しており、消費者庁もまた同様の見解を示していますから、エスカレーターでの歩行が危険であることは当然認知されるべきことでもあります。

このような中でステップを歩いて他人を負傷させたとなればその悪質性を問われて高額の賠償金を請求される可能性もありますし、何よりも人に迷惑がかかる可能性がありますから、エスカレーターでの歩行が厳禁であることを多くの人が認識する必要があると言えるでしょう。

反応は様々

エスカレーターでの片側空けと歩行を行わないことが最新のマナーになりつつある現在でも、その是非をめぐっては賛成反対をはじめ様々な意見があるようです。

歩かない派の意見

  • 安全を考えれば歩くべきではない
  • 片側空けをやめるべきと考える人が多い
  • 両側に乗った方が効率がいい

歩く派の意見

  • 効率が悪化する
  • 駅のホームが混雑してさらなる危険を招く
  • 片側空けは世界で受け入れられている

賛成派の中には歩行の禁止が安全性の向上につながると言う意見が多く、反対派には効率の悪化や駅のホームが混雑して逆に危険を招くことを懸念する意見が見られますが、今後“歩く派”と“歩かない派”が対立する構図ができてしまうかもしれません。

私個人的にはエスカレーターでの歩行が全面禁止されるべきと考えますが、意見が対立することなく、皆が納得できる合理的なルールが形成されることを期待したいと思います。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

歩く歩かない、片側を空ける空けないをめぐり色々な意見があるようですが、現在では片側空けとエスカレーターでの歩行を行わないことがマナーになりつつあることをもう1度確認しておきます。

社会
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