公示前のたすき・ビラ撒きもアウト!? 事前運動は選挙違反です!

皆さんご周知の通り選挙期間前に選挙運動をすることは禁止されていますが、たすきの使用やビラ撒きなどの身近な行為が公職選挙法に抵触する可能性があることをご存知でしょうか。

今回は、選挙違反である“事前運動”とそれに該当する行為について解説します。

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選挙運動と政治活動

事前運動の違法性を考えるにあたり、選挙運動政治活動の2つの概念を理解しておく必要がありますが、前者は、特定の選挙において特定の候補者の当選を図ること及び特定の候補者を当選させないことを目的として選挙人に働きかける行為を言います。

一方の政治活動は“政治上の目的を持って行われる一切の活動から選挙運動を除いたもの”であり、具体的には政治団体の政策の宣伝普及や党勢拡大のための街宣活動などがこれに該当すると考えてよいでしょう。

公正な選挙を実現するため選挙運動には様々な規制が設けられており、選挙運動期間前の選挙運動(事前運動)は公職選挙法により禁止されていますが、政治活動であれば公示前でも問題なく行うことができます。

事前運動

選挙運動は選挙運動期間中(公示日〜投票日の前日)に限り行うことが可能であり、公示前に選挙運動を行うことはできません(事前運動の禁止)。

もちろん、政治活動の範囲内であれば公示前に行っても構いませんが、たすきの使用、チラシ撒き、看板の使用、ポスター貼りなどは選挙運動と見なされ、事前運動に該当する可能性があります。

事前運動に該当する可能性がある行為
  • たすきの使用
  • ビラ撒き
  • ポスター貼り

たすきの使用

たすきの使用は、選挙運動期間中、当該選挙への立候補者に限り認められる行為であり、選挙運動期間外に使用することはできません。

よって、公示前に行われる政治活動時のたすきの使用は事前運動として公職選挙法に抵触する他、胸章、腕章、プラカードも同様の扱いを受けるため、十分な注意が必要です。

なお、同じたすきの使用でも候補者名を記載しなければ違反にならないらしく、近年は公示前に立候補予定者が本人と書かれたたすきを身に付けて街頭演説を行うケースが増えているのですが、この方法であれば特定の候補者を当選させることを目的とする行為、つまり選挙運動には当たらないと判断されるようですね…

チラシ撒き

公示前のチラシ撒きは、選挙運動(特定の候補を当選させる及び当選させないことを目的とする行為)に該当しない程度、つまり“政治活動の範囲内”であれば認められます。

あくまでも政治活動の一環としてのビラ配りであれば、政策はもとより、ビラに立候補予定者の名前が記載されていても構いませんが、例えば“〇〇に1票を”、“選挙公約”等の文言を用いると選挙運動と見なされますので表現には最深の注意を払わなければなりません。

また、政党や政治団体が自分たちの政策を訴える内容のビラを配布することができる一方で、無所属での立候補者は自身の政策の宣伝が選挙運動に直結しやすく、余計に神経を使うことになるでしょう。

ポスター貼り

選挙の公示前であっても政治活動を行うことはできますが、個人の政治活動用ポスターの掲示は任期満了の日の6ヶ月前から当該選挙の投票日の間、当該選挙区内への掲示が禁止されています。

選挙運動期間用のポスターはもちろんのこと、“政治活動用のポスターだから大丈夫”と油断すると選挙違反に問われますので、十分に注意しなければなりません。

罰則

事前運動は公職選挙法によって禁止されていますが、これに違反した場合の罰則は“1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金”です(公職選挙法第239条第1項)。

もの凄く厳しい量刑と言う印象こそないものの、逮捕事例も多く存在しますし、何よりも法律違反なわけですから、絶対に行わないようにしましょう。

事前運動の罰則
1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金

検挙状況

法律違反である以上、事前運動は当然ながら検挙の対象となりますが、前述の通り選挙運動と政治活動の区別は非常に曖昧であり、警察にとって当該行為を事前運動として立件することは簡単ではありません。

それもあってか、公示前のたすきの使用やポスターの掲示などの公職選挙法に抵触する行為が行われているにも関わらず当事者が検挙されることなく、結構な数の事前運動が見逃されているのが実際のところでもあります。

もちろん、だからと言って違法行為である事前運動が当たり前のように許されることがあってはなりませんから、万が一疑わしい行為を発見した場合には各都道府県選挙管理委員会や警察に連絡しましょう。

選挙違反を発見した場合

事前運動はじめ、選挙違反と思われる行為を発見した場合は警察や選挙管理委員会に連絡することで、公正な選挙の実現に貢献することができます。

何度も述べるように政治活動と選挙運動の区別が難しいこともあり、当該行為を刑事事件として立件するか否かは警察の判断に委ねられることになりますが、選挙管理委員会に問い合わせたところ、疑わしい行為が報告された場合にはまず当事者への警告が行われるとのこと。

これにより違反行為が繰り返されるのを防ぐことができますし、最近では動画投稿サイト等で事前運動と思われる行為を確認できる機会も少なくありませんので、私たち1人1人のチェック能力が一層求められていると言えるかもしれません。

終わりに

今回は、公職選挙法違反の1つである事前運動とそれに該当する恐れがある行為について解説しました。

自身が選挙運動を行う上で違反をしないことは当然ですが、事前運動に該当する行為を見付けた時には選挙管理委員会に報告し、公正な選挙の実現を目指しましょう。

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