スーパーマーケット等で賞味期限切れが間近に迫っているため格安で販売されているキャットフードを見かける機会があるのですが、期限が切れてしまっても食べさせることができるのでしょうか。
その答えを知るべく各キャットフードメーカーに問い合わせをしてみたので、早速結果を投稿しようと思います。
はじめに
はじめに“賞味期限”の定義を確認しておきたいのですが、“美味しく食べられる期限”と言うのが一般的な理解であり、その食品の品質が保証される期間の目安を表す概念として運用されています。
私たちが日々食している様々な食品にこの賞味期限が明記されていますが、キャットフードもその例外ではなく、ドライフードについては製造から1~3年の期限を設けている製品が多いようですね。
製品によって期限にばらつきがある背景には原材料の違いや保存料の使用の有無等がある他、缶詰タイプのウェットフードは袋入りのドライフードよりも賞味期限が長くなることも覚えておきたいポイントだと思います。
なお、皆さんご存知の通り賞味期限はあくまでも美味しく食べることができる期間を表すものであり、消費期限の様にそれを過ぎたからと言って直ちに安全性に問題が生じることを意味するわけではありません。
キャットフードに記載されるのもこの賞味期限であり、実際にはその期限を過ぎても食べさせることが可能なのかどうか気になるところですが、今回は以下の6つのメーカーに問い合わせてみました。
- キャラットミックス(日清)
- 銀のスプーン(ユニチャーム)
- ピュリナワン(ネスレ)
- アイムス(マースジャパン)
- ロイヤルカナン(ロイヤルカナン)
- サイエンスダイエット(日本ヒルズコルゲート)
メーカーの回答
問い合わせの結果、6社中5社の回答が“なるべく賞味期限内に消費して下さい”と言うものであり、期限が切れた後の投与に対する責任は負えないとのこと。
ここで“賞味期限を過ぎても大丈夫”などと答えてしまっては万が一の場合の責任問題に発展しかねないだけに極めて妥当な対応だとは思いますが、あまりにも一般論すぎるような…
フード名 | 賞味期限に対する見解 |
キャラットミックス | 期限切れから半年後にも劣化しないことを確認済み |
銀のスプーン | 期限内に消費してください |
ピュリナワン | 期限内に消費してください |
アイムス | 期限内に消費してください |
ロイヤルカナン | 期限内に消費してください |
サイエンスダイエット | 期限内に消費してください |
一方、唯一異なる回答を得られたのがキャラットミックスを製造する日清食品で、メーカーは賞味期限を製造から1年半後に設定しているものの、そこからさらに半年が経過した段階でも品質が劣化しないことを確認しているそうです。
ここまではっきりとした回答を得られたことには驚きましたが、製造方法や使用する保存料など他メーカーの製品との間に劇的な違いがあるとも考え難いので、キャットフードの賞味期限が切れてしまってもこの範囲内(期限が切れてから半年以内)であれば食べさせても大丈夫と考えることもできますね。
上記の日清の回答に加え、猫が優れた嗅覚と味覚を頼りに食べても大丈夫なものであるか否かを判断する能力を有することを考慮すれば、そのキャットフードの賞味期限が切れてから1~2ヶ月程度であれば一度食べさせてみて、問題なく食べるようでしたらそのまま投与してもよいのではないでしょうか。
開封後は?
賞味期限が十分に残っている場合でも、一度開封したドライフードはできるだけ早く消費しなければなりません。
開封後常に空気に触れる環境ではどんどん酸化が進み風味が落ちてしまう他、湿気が多い梅雨の時期には粒にカビが発生してしまうこともあるからです。
今回問い合わせをした各メーカーに開封後の保存可能期間についても聞いてみたのですが、いずれも1~1.5ヶ月以内に消費するようにとの回答でしたので、やはりこの範囲内に使い切るのが望ましいでしょう。
フード | 開封後の保存可能な期間 |
キャラットミックス | 1~1.5ヶ月 |
銀のスプーン | 1ヶ月 |
ピュリナワン | 1ヶ月 |
アイムス | 1ヶ月 |
ロイヤルカナン | 1ヶ月 |
サイエンスダイエット | 1~1.5ヶ月 |
また、ウェットフードについては開封後の劣化がドライフードとは比較にならないほど急激に進みますので、当日、遅くてもその翌日のうちに使い切って下さい。
正しい保管方法
ドライフードを保存する上で最も重要なことは何と言っても空気に触れさせないことですが、たくさんの空気に触れれば触れるほどフードの酸化が進み、風味も確実に落ちてしまいますので、袋にジッパーが付いている製品を購入するのがベストです。
ジッパーが付いていないフードの場合は“ジップロック”のような密封可能な入れ物に移し替えるか、開け口をしっかり塞ぐことができるクリップタイプの商品を使用するとよいでしょう。
ぜひ画像を参考にして欲しいのですが、いずれの場合もできる限り空気を抜いてから封をすることがポイントです。
フードに触れる空気の量が少ないほど酸化を抑制することが可能で、品質や風味の劣化を抑えることができますからね。
終わりに
今回は賞味期限が切れたキャットフードの安全性について投稿してきましたが、期限が切れてから半年以内の製品であれば、猫が問題なく食べるようでしたらそのまま投与しても問題ないと思われます。
もちろん、開封後の劣化を考えても可能な限り早く消費することが望ましいですから、万が一猫ちゃんの体調に異変が見られた場合はすぐに投与を中止し、新しいフードを食べさせるようにしましょう。
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