尿路結石症や肝機能障害を患う動物用療法食の製造販売メーカーとして有名なロイヤルカナンですが、製造工場の韓国移転が発表されてからはこれを不安視される方も多いのではないでしょうか。
“現在流通している製品は既に韓国製だ”などと言う噂も流れていますが、その真偽を確かめるべくロイヤルカナンに問い合わせてみたので早速その結果を投稿しようと思います。
韓国・金堤工場での製造
非常に大きな反響を呼んでいるロイヤルカナンの韓国製造問題ですが、やはり噂は本当のようで、既に現地(韓国・金堤)に工場が完成済みであることが公式に発表されています。
そして、2018年半ばには現地での商品の製造が開始されるとのこと。
この記事を編集している2018年5月17日の時点ではまだ製造が行われていませんが、メーカーが正式にアナウンスしている以上、今年中には韓国製の商品が市場に出回ると考えて間違いないでしょう。
日本への輸入
続いて最も気になる韓国製造商品の国内流通についてですが、公表されている情報によれば、現地で製造されるのは犬用食事療法食“満腹感サポート ドライ 1kg,3kg,8kg”のみ。
同時に、2019年上半期までに日本に輸入される韓国製の商品が上記の3種類のみであることも発表されています。
“2019年上半期まで”との文言があることから、その後は他の製品も韓国で生産される可能性を否定できないものの、現時点では猫用製品の韓国製造の予定は発表されていません。
製品の安全性は?
キャットフードについてネット上には様々な意見が交錯しており、ロイヤルカナンのフードの安全性を問題視する意見も見られますが、その信憑性は必ずしも確かなものではありません。
と言うのも、それらはいずれも個人により運営されるサイトに掲載されるものであり、原材料や配合成分について何やら理屈を展開しているものの、メーカーや研究機関等が発表する情報のように科学的根拠に基づくものではなく、あくまでも個人の主観に過ぎないのです。
さらに、彼らはロイヤルカナンを批判すると同時に必ず“カナガン”や“オリジン”等の海外製のフードを高く評価して読者に購入を促しているのですが、そこにはしっかりアフィリエイトのリンクが貼り付けられており、それを経由して回覧者が商品購入に至った場合にはそのサイトの運営者に報酬が入るわけですから、こちらの方がよほど胡散臭いでしょう…。
そもそも、普通に考えて品質に問題があるフードを全国の獣医師が処方食として取り扱うことなどあり得ませんからね。
また、“韓国工場での製造”について不安を感じる方も多いと思いますが、既存の工場と同様の厳しい品質管理体制下で製造が行われることをメーカーが公表しているわけですから、現地での製造開始を理由にロイヤルカナンの利用を中止する必要は全くないと思います。
フード選びの注意点
既に述べた通り、“ロイヤルカナン批判”1つを採り上げてもキャットフードの是非を巡り様々な情報が飛び交っており、愛猫に与えるフード選びを余計に難しくしているのが現実です。
よって、1つの情報を過信することなく、愛猫の年齢や体調、フードとの相性など様々な観点からベストな選択をすることが求められますが、通院習慣がある場合には獣医の助言を参考にするのもよいでしょう。
もちろん、医師の言うことが絶対的に正しいとは言いませんが、素人が金稼ぎを目的にアップしている情報と比べればその信頼性は比較になりません。
繰り返しになりますが、特にネット上に溢れる情報については、誰が何の目的でそれを発信しているのかをよく考え、その信憑性を判断することが不可欠なのです。
終わりに
今回はロイヤルカナン製品の韓国製造問題について投稿してきましたが、現地で生産が開始されるのは2018年半ばであり、現在製造が予定されている商品は犬用の療法食“満腹感サポート ドライ 1kg, 3kg,8kg”のみです。
当然ながら従来と同様の品質管理が徹底されますし、少なくとも現時点では猫用フードの製造予定は発表されていませんから、過度の心配は不要と言えるのではないでしょうか。
コメント
韓国工場での製造についてメーカーから公式に発表されましたね
https://www.royalcanin.co.jp/new/news/2018/03/canine-satiety-country/
世界で15番目のロイヤルカナンの製造工場となる同工場は、弊社の他の工場と同じ厳しい品質管理体制はそのままに、原材料の異物除去やパッキングの新システムなど最新の技術と設備を導入し、今まで以上に安全でご安心いただける製品を製造できる最新鋭の工場となります。同工場内には、訪問者が製造工程を見学できるガラス張りの回廊を設けています。また、省エネと環境に配慮したグリーンビル認証「LEED* ゴールド」を取得する予定です。
日本市場には、ロイヤルカナン 犬用食事療法食「満腹感サポート ドライ 1kg, 3kg, 8kg」を導入することになりました。同製品はフランス本社での厳しい検査によって承認された後、2018年9~10月に本格的な製造の開始を予定しております。2019年上半期までは、日本に輸入される同工場の製品は上記「満腹感サポート ドライ 1kg, 3kg, 8kg」のみとなります。
弊社は、これからも、犬と猫の健康のための栄養ニーズを満たす最高品質のフードを製造して参ります。