Appleの延長保証サービスとして有名な“Apple Care”ですが、Macをお持ちの皆さんは加入されているでしょうか?
今回は、その必要性を考えてみようと思います。
Apple Careとは
はじめにApple Careの概要を確認しておきたいのですが、現在Mac用の商品としては“Apple Care+for Mac”が用意され、これを購入することでMacに対する保証期間を3年間に延長することができます(2017年6月にApple Care Protection PlanからApple Care+に移行)。
もちろん、製品購入後1年間は無償のメーカー保証が適用されますので、正確にはその後の2年分の保証サービスを購入するシステムと考えればよいでしょう。
Apple Care+for Macを購入するにはそれなりの出費が必要ですが、保証期間内であれば原則としてサービスを受けるごとに料金が発生することもなく、個別に有償修理を受けるよりも出費を抑えることができる場合もあります。
購入方法
Apple Care+for Macを購入する方法は、①Mac本体と同時に購入する、②後から単体で購入するの2つありますが、後者については本体購入から30日以内であることが条件で、これを過ぎてからの購入は不可能なのでご注意下さい。
また、Mac miniが10,800円、iMacとiMac Proが20,800円、MacBook AirとMacBookが23,800円、Mac Proが32,800円、MacBook Pro13インチが25,800円、MacBook Pro15インチと16インチが35,800円と、機種によって価格が異なることもポイントです(いずれも税抜)。
Apple Care+の価格(2020.1.1現在)機種 | 価格(税別) |
MacBook Pro16 | 35,800円 |
MacBook Pro15 | 35,800円 |
MacBook Pro13 | 25,800円 |
MacBook Air/MacBook | 23,800円 |
Mac Pro | 32,800円 |
iMac/iMac Pro | 20,800円 |
Mac mini | 10,800円 |
保証内容
Apple Care+for Macによる保証の対象となるのは、①Mac本体、②バッテリー、③電源アダプタ等の付属品。
ここで言うMac本体とは主にSSDやメモリ等のハードウェアの不具合の他、キーボードの不調、本体ケースの歪み、液晶画面のトラブル等のことですが、自然に発生する不具合のみならず、キーボードに水をこぼした、机から本体を落とした等の“ユーザーの過失”に起因する不具合にも保証が適用されます(※一定額の負担が必要)。
さらにバッテリーの劣化も保証の対象であり、保証期間内であればバッテリー性能が80パーセントを下回った時点で何度でも交換を受けることができますし、不明な点を質問できる電話サポートを回数制限なしで受けられる(Apple Care+for Macなしの場合はMac購入後90日間のみ)点も大きなメリットと言えるでしょう。
解約
Apple Care+for Macを途中で解約することも可能です。
その申し込み方法は簡単で、Appleのサポートを経由してApple Careの契約担当部署のスタッフにApple Care+for Macを解約したい旨を伝えるだけ。
その電話で本人確認や返金先の振込口座等の情報を尋ねられますが、特別面倒なことは一切ありません。
返金される金額は日割り計算で算出されるため、Macを売却するなどの理由でApple Care+for Macが不要になった場合には早い段階で解約を申し込むことお奨めします。
なお、その際に“解約手数料”として日割り計算された残りの保証期間に対する対価の10パーセントが差し引かれてしまうのですが、まあこれくらいは仕方ないか…。
Apple Careの必要性が高いケース
ここからApple Care+for Macの必要性を考えてみたいのですが、長年に渡り何十台ものMacを所有してきた私の経験から、以下のケースではApple Care+for Macを購入した方がよいと思います。
Apple Careの必要性が高い
- 長く使い続ける(最低でも1年以上)
- 使用頻度が高い
- Macを頻繁に外へ持ち運ぶ
- Retinaディスプレイ搭載モデルである
長く使い続ける
パソコンは精密機械であると同時に消耗品でもあり、使用時間に比例して不具合が発生する確率が上昇します。
よって、Macを一定の期間以上使う方にとってはApple Care+for Mac加入によるメリットが大きくなりますが、具体的には1年(無償でのメーカー保証の適用期間)以上使用される予定の方はやはりApple Care+for Macを購入しておいた方がよいでしょう。
故障修理はもちろんですが、Apple Care+for Macはバッテリー交換にも適用され、長期使用によりバッテリーが劣化しても無償で交換可能なので、バッテリー交換代を先に支払っておくと考えれば決して高い買い物ではないと思います。
使用頻度が高い
使用頻度が高いほど故障のリスクが大きくなるのは当然ですから、Macを動かす機会が多い方にはApple Care+for Macへの加入をお奨めします。
前述の通り使用頻度が高ければそれだけバッテリーの劣化も激しく、例えばMacBook Pro13インチの場合は有償でのバッテリー交換費用が19,800円なので、1度交換すれば十分に元が取れてしまいますからね。
バッテリー性能が80パーセントを下回る毎に何度でも交換が可能で、同時に故障した場合のリスク対策にもなるわけですから、Apple Care+for Macに加入しない手はないと思います。
Macを外に持ち運ぶ
精密機械であるMacにとって、外部からの衝撃ほど怖いものはありません。
よって、モバイルPCとしてMacを外へ持ち運ぶ機会が多い方ほど、Apple Care+for Macの必要性が高まると考えて間違いないと思います。
従来のApple Care Protection Planと異なり、一定額の支払いこそ必要ではあるものの、Apple Care+for Macが付帯する個体については落下などユーザーの過失による不具合に対しても保証が適用されますので、普段からMacを持ち運ぶ方にとってApple Care+for Macへの加入は必須と言ってもよいでしょう。
Retinaディスプレイを搭載している
現行のMacBook ProやMacBookなどのRetinaディスプレイを搭載するモデルを使用される方にとっても、Apple Care+for Macの必要性が高いと言えます。
と言うのも、現行のMacBook Pro等のRetinaディスプレイを搭載するモデルは有償でのバッテリーの交換費用が19,800円と高く、例えばMacBook Pro13インチの場合、Apple Care+for Macを利用して1度でもバッテリーを交換すれば23,800円のうちの大半を消化できてしまうんですね。
新品購入してから1年間はメーカー保証でのバッテリー交換が可能とは言え、その後1度でもバッテリー交換をすれば元を取ることができ、2回以上交換した場合には完全に得をする計算です。
Apple Careの必要性が低いケース
一方、以下に該当する場合はApple Care+for Macの必要性は低いと思われます。
Apple Careの必要性が低い
- 1年以内に手放す
- 使用は自宅のみで持ち運ばない
- 使用頻度が少ない
- Macの利用歴が長い、Macに詳しい
- デスクトップ型(iMac,Mac Pro,Mac mini)である
- MacBook Air(Retina非搭載)である
1年以内に手放す
購入後1年以内にMacを手放す場合はApple Care+for Macの必要性は決して高くありません。
この期間中はメーカー保証が適用されるため、万が一故障したとしても無償で修理を受けることができますし、バッテリーも無償で交換することができるので、Apple Care+for Macの恩恵があるとすれば製品の購入後90日以降でも無償での電話サポートを受けられることくらいでしょうか。
せっかくのMacを1年で手放す方などいないようにも思いますが、Macはヤフオク等のオークションで高額で取引されることも珍しくありませんので、短いサイクルでマシンの入替をする方にとってはApple Care+for Macの必要性は大きくないでしょう。
使用頻度が低い
使用頻度が低ければMacが劣化して故障する確率も低くなるので、当然ながらApple Care+for Macの必要性も低くなります。
滅多に使用しないとなればバッテリーの劣化も少なくて済みますからね。
Macに詳しい
無償での電話サポートを何度でも受けられることはApple Care+for Macの大きなメリットの1つですが、Macの使用歴が長く、Macの扱いに慣れている場合はこれを利用する機会も少なくなります。
万が一電話で問い合わせをする必要が生じた場合にも必ず有償での対応になるわけではなく、Appleのスタッフは可能な限り無償で対応すべく努力してくれますので、Apple Care+for Macの必要性は少ないと考えて間違いないでしょう。
デスクトップ型である
劣化したバッテリーを無償で交換できることはApple Care+for Macに加入する最大のメリットとも言えますが、iMacやMac Proなどのデスクトップ型のマシンの場合は残念ながらその恩恵はゼロ。
よって、故障対応と電話サポート以外のメリットはありませんので、MacBook等のノート型に比べその必要性が低くなります。
MacBook Air(非Retina)である
同じノート型でも、Retinaディスプレイが非搭載のMacBook Air(1つ前のモデル)は他のMacBookシリーズほどApple Care+for Mac加入のメリットは大きくありません。
その理由は同機種の有償バッテリー交換料金が12,800円とRetinaディスプレイ搭載モデルに比べて安いことにあるのですが、MacBookやMacBook Proのように1度でもバッテリー交換をすればApple Care+for Macの購入料金の大半を消化できるわけでもなく、仮に有償でサービスを受けるとしてもそれほど大きな出費にはなりませんからね。
もちろん、長期間使用する予定がありなおかつ故障した場合のことを考えれば決して無駄とは言えませんが、私でしたら購入を見送ると思います。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
繰り返しになりますがApple Care+for Macの必要性はやはりMacの使い方と機種に左右される部分が大きいので、購入するか否かをお悩みの方はご自身の使用用途をよく確認して、適切に判断しましょう。
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