今年も残り少なくなり、来年の年賀状の準備をする季節がやってきましたが、最近は年賀状を出さない人が増えていると聞きます。
それは失礼だと言う意見も多いようですが、年賀状の歴史を調べると意外な事実が・・・!?。
年賀状の始まり
年賀状の始まりは、平安時代まで遡ると言われています。
既にその1つ前の奈良時代には新年の挨拶回りの慣例があったようですが、平安時代に入るとそれが貴族など身分の高い人々の間に定着しました。
ところが、当時の交通事情からして遠方に住む人物のもとへ挨拶に行くことは容易ではなく、その代わりに書面での挨拶が行われるようになったとのこと。
つまり年賀状とは、本来は直に会い年賀の挨拶をすべきところ、それができない場合の代替手段として誕生したものなのです。
大名が主君への年賀拝礼を行うべきところ、事情によりそれができないため書状で挨拶をした事例もありますしね。
よって、会社の同僚や上司など年始に直接会う人に対してはその時に直接年賀の挨拶を述べればよいのであり、それこそが最も例を尽くした挨拶であるはずです。
虚礼廃止
上記の事実を知ってのことか、現在では、年賀状を出す人と出さない人の割合は6:4と言われています。
4割の人が年賀状を出していないことに驚かされますが、近年では職場内での年賀状や暑中見舞い、お中元などを禁止する企業が増えてることも事実。
これは”虚礼廃止”と呼ばれますが、かつての年功序列制度が崩壊し、どこの会社でも実力主義が当たり前になった現在では、形式上の挨拶が不要と言う話にも十分納得できますね。
また、年賀状の歴史からしても、年明け早々に顔を会わせる同僚に対する新年初挨拶を年賀状で済ませることの方が失礼に当たるではありませんか。
この虚礼の廃止は会社のみならず、親戚や知人に対しても十分に通用することだと思います。
相手が遠方に住んでいると言うことであれば話は別ですが、直接会うことができる人に対しては、直に挨拶すればよいだけのこと。
私の個人的な考えになってしまうかもしれませんが、年賀状を出さないから失礼と決めつけることには、かえって疑問を感じます。
年賀状を出さないリスク
年賀状を出さないことが必ずしも失礼に当たるわけではないと思いますが、それなりのリスクがあることも事実です。
例えば、相手がこれまでの風習を重んじる人であれば機嫌を損ねる可能性があるでしょうし、新入社員の方は上司の顔色が気になることも・・・。
その場合は、年賀状を出さない理由をしっかりと相手に伝えることが大切です。
相手にその真意を理解してもらうことができれば、年賀状を出さないことが原因で人間関係がこじれることもないはず。
特に上司には、自身の考えをはっきりと伝えるようにしましょう。
終わりに
今回は、年賀状を出さないことについて考えてきました。
年賀状を出さない人が増えていることを考えると、今後、私たちと年賀状との関係がどのようなものになるのか、興味深い話でもあると思います。
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