オークションで商品を購入後に返品を申し出たものの、返品不可のルールを理由に相手が返品に応じてくれないケースが多いと聞きます。
今回は、このノーリターンのルールの効力について調べてみました。
免責特約
オークションでは、商品説明欄に出品者が”ノークレームノーリターン”と記載するのが当たり前になっています。
このノークレームノーリターンが返品不可の根拠になると言われますが、ヤフオクではこれに加え、返品の可不可を選択し、出品画面に表示させる機能があるほど。
法律的上もこれらの効力が認められ、原則として購入後の返品はできません(免責特約)。
オークションは新品を販売するところではないので、商品に多少のキズや汚れが付いているのも当然ですし、落札者も返品不可の条件に同意した上で参加しているからです。
瑕疵担保責任
原則としてオークション取引での返品は不可能ですが、場合によっては返品が可能なケースもあります。
例えば、商品に商品説明と著しく異なる欠陥がある場合や出品者が認識していた欠陥を記載しなかった場合がこれに当たりますが、出品者は返品や返金要請に応じなければなりません。
これを”瑕疵担保責任”と呼びますが、瑕疵とは、本来有するべき機能や品質、性能を備えていない状態のこと。
オークションにおいては、実際に送られてきた商品が商品説明にある機能や性質、状態を持っていない場合がこれに該当すると考えればよいでしょう。
このケースでは、ノークレームノーリターンをはじめとする免責事項の効力が無効となるので、落札者は返品を要求することができるのです。
- 商品の欠陥が商品説明欄の記載と大きく異なる場合
- 出品者が商品の欠陥を知りながらもそれを隠していた場合
- 出品者が事業者の場合
もちろん、瑕疵担保責任が認められるかどうかは実際の商品説明と商品の状態により決定されるのですが、キズや汚れの程度についての認識は人それぞれ。
よって判断が難しく、はっきり決着を付けるには裁判を行うしかない場合もあるのです。
オークションで取引される商品の額は小さく、裁判にかかる費用の方が大きいために現実的な話ではないのですが・・・。
また、出品者が事業としてオークションに参加している場合は、かなりの確率で瑕疵担保責任が認められます。
トラブルを避ける方法
法律的に落札者、出品者のどちらの主張が正しいかは別として、話がこじれた場合にお互いが嫌な思いをすることは必須です。
特に、ヤフオクでは評価制度がありますから、お互いに悪い評価を付け罵倒しあうと言う最悪のパターンに発展する可能性も否定できません。
このような事態を避け、オークションを出品者と落札者の双方にとってメリットが多い場にするためにも、双方が努力しなければならないのです。
具体的には、出品者には商品の状態をできるだけ詳細に記載することが求められますが、もちろん虚偽の記載は厳禁。
落札者は、少しでも不明な点があればその都度質問し、必ず納得した後に入札することを心がけましょう。
双方が相手の立場を考え、誠実に対応することで初めて良い取引が成立するのだと思います。
終わりに
今回は、オークションでの返品の可不可について、法律にも触れながら述べてきました。
やはり返品不可能が原則ですが、商品が説明と大きく異なる場合など返品ができるケースもあることを理解して欲しいと思います。
コメント