インターネットの速度を表す概念に、”回線速度”や”通信速度”と言う言葉がありますが、両者の意味が全く同じではないことをご存知でしょうか。
今回は、その意味の違いについて投稿するので、是非とも最後まで読んで欲しいと思います。
回線速度
回線速度とは、NTTの基地局からONU若しくはモデムまでの通信能力のことを言います。
正確には、”回線能力”と呼ぶべきなのですが、上記の区間において、1秒間に運ぶことが可能な情報量を表す概念と考えて下さい。
例えば、回線速度が100Mbpsの場合、その回線が1秒間に100Mbの情報を運ぶ能力を持つことを意味しているのです。
速度と表記される以上、速さのことだと思ってしまいますが、実際の情報の転送速度を表すものではありません。
むしろ、光ケーブルの能力と考えてもらえばよいのですが、ホースや道路をケーブルとみなし、その中を情報が移動するとします。
その際、ホースが太ければ太いほど、道路が広ければ広いほど、短時間で多くの水や車、つまりは多くの情報が移動できますよね。
このホースの太さ、道路の広さこそが回線能力(回線速度)であり、数値が大きくなればなるほど、これらも太く、広くなるのです。
なお、bps(ビット/秒)を8で割るとBps(バイト/秒)になるので、100Mbpsは12.5MBpsに換算が可能。
回線速度が100Mbpsであれば、1秒間に12.5MBの情報を運ぶことができる計算ですね。
1980×1280の写真1枚の容量が1.5~2MBですから、これだけでも凄いことだと思うのですが、現在はその能力が1Gbps(一部地域では2Gbps)まで引き上げられています。
通信速度
注)画像は、BIGLOBE様会員サポート、”回線速度の仕組みを知ろう”(support.biglobe.ne.jp/faq/speed/sikumi.html)より引用
通信速度とは、インターネット通信において、1秒間にどれだけの情報が転送されているか、を表す概念です。
速度測定サイトでの測定結果がこれに該当しますが、ある時点での通信において、どれだけの情報をやり取りできる状態にあるのかを表していると言ってもよいでしょう。
回線速度がホースの太さ、あるいは道路の広さであるならば、こちらは、その中を移動できる水や、車の量に当たると考えて下さい。
上の画像はBIGLOBEさんのホームページににあるものを利用させていただいたのですが、同じく回線を道路に見立てているので、非常にわかりやすいですね。
例えば、通信速度が50Mbpsと言うのは、その時点での通信が、1秒間あたり最高で50Mbpsの情報量を転送できる状態にあることを表すもの。
この数字が高ければ高いほど、同じ時間内に転送可能な情報量が増えるので、ダウンロードや画面の切り替わりにかかる時間も短縮されるのです。
速度の低下
多くの方が既にご存知だと思いますが、回線速度と通信速度の数字は絶対に一致しません。
必ず、回線速度>通信速度となるのですが、例え回線速度が1Gbpsであったとしても、実際の通信速度はそれを大きく下回ってしまうのです。
そこには、①プロバイダの能力、②家庭内LANの環境、③パソコンの情報処理能力など様々な要因があるのですが、順に確認して行きましょう。
プロバイダの能力
光回線を利用して、私たちのコンピューターをインターネットに接続させるのは、プロバイダの役割です。
光ケーブルがホースや道路だとすれば、水を流したり、車を走らせるのが彼らの仕事であると思って下さい。
ここで言う水や車とは情報のことですが、プロバイダの能力が低ければ、同じ時間内に移動する情報量も減少してしまうのです。
結果、データのダウンロードや画面の切り替わりに多くの時間を要してしまうことは、言うまでもないでしょう。
これは、水を流す力が弱いために、実際に流れる水がホースの容量よりも少ない状態と考えれば、理解しやすいですね。
なお、プロバイダの能力と言うのは、具体的には、サーバーの大きさを言います。
光回線を利用してインーネットに接続する場合、プロバイダのサーバーを経由する必要があるのですが、そのプロバイダの利用者が多ければサーバーも混雑することに・・・。
利用者の数に対してその処理能力が追い付かないので、結果、通信速度が遅くなってしまうのです。
家庭内LANの環境
通信速度が、家庭内のネットワーク環境に影響されることもあります。
無線機能を使ってインターネットに接続している場合は、その無線LANルーターの性能が悪ければ、情報のやり取りが滞るのは当然のこと。
また、家庭内で、1度に複数台のコンピューターが無線に接続すれば、そこで混雑が発生することもあり得るでしょう。
とは言え、プロバイダの能力による影響と比較すればこちらの影響は物凄く小さいので、それほど気にする必要もないかもしれません。
コンピューターの処理能力
パソコンやタブレットなどのコンピューターの能力が影響することもあります。
光ケーブルを通ってきた情報を最終的に処理するのはパソコンやタブレット等の仕事ですが、それらの能力が低ければ、そこで通信が滞るのは当然のこと。
回線状態やプロバイダに問題がなかったとしても、スペックが劣るパソコンを使用したために通信速度が低下する可能性もあるのです。
とは言え、最近のコンピューターの性能向上は著しいですし、プロバイダの能力による影響と比べれば、やはり小さなものと考えてよいでしょう。
終わりに
回線速度と通信速度の違いをご理解いただけてでしょうか。
通信速度が思うように上がらずお悩みの方には、以上の内容を踏まえ、プロバイダの変更や、家庭内LANの環境改善を行って欲しいと思います。
コメント