愛猫に色々な食べ物を与えたくなる気持ちも理解できますが、猫にとって危険な食べ物があることをご存知でしょうか。
今回は、その中でも最も危険と言われる玉ねぎ中毒について投稿しようと思います。
タマネギ中毒
猫が玉ねぎを食べた場合、”タマネギ中毒”を起こす恐れが・・・。
玉ねぎに含まれる硫黄化合物が、ヘモグロビンを酸化させてしまい、溶血性貧血を起こしてしまうのです。
子猫などは特に好奇心旺盛ですので、玉ねぎを調理する場合には、猫が近付けない環境を整えることが大切と言えるでしょう。
加熱と毒性
厄介なことに、玉ねぎを加熱調理しても含まれる毒性は消えません。
よって、玉ねぎが入った味噌汁やスープを猫が飲んでしまった場合も、中毒を起こす可能性があるのです。
近年、猫に人間の食べ物を与える飼い主は減少していますが、猫が謝ってこれらを飲んでしまう可能性もあるので、十分に注意しましょう。
症状
急性症状
猫がタマネギを食べると、急性中毒として貧血を起こす確率が高くなります。
具体的には、①元気がなくなる、②食欲がなくなる、③動かなくなるなどがその症状と言えますが、普段と様子が異なるようでしたら中毒を疑ってよいでしょう。
また、嘔吐や下痢、黄疸の他、ヘモグロビンを含む赤い尿が出ることもあります。
猫が玉ねぎを食べた後に、以上のような症状が見られる場合は、速やかに獣医の診察を受けて下さい。
潜伏期間
急性症状表れるまでには、24時間〜数日の時間を要すると言われています。
タマネギを食べた直後は何ともなくとも、時間の経過とともに症状が表れる可能性がありますので、油断はできません。
数日間は、注意深く様子を観察するようにしましょう。
慢性症状
タマネギ中毒には慢性症状もありますが、味噌汁などを日常的に与えた続けることにより、これが引き起こされるようです。
急性中毒を起こすことはないものの、少しずつ貧血が進み、最終的には重篤な状態に至ってしまうことも・・・。
また、肝機能に障害が出てしまうことも慢性中毒の特徴と言えますが、日常的な硫黄化合物の摂取が肝臓に負担をかけるものと思われます。
一気に症状が出る急性中毒とは異なり、気付かないうちに症状が進行することを考えても、こちらの方が厄介なのかもしれません。
摂取量
玉ねぎの摂取量と中毒の関係については、様々な意見があるようです。
一説によれば、”体重1kgに対し15g”を超える量を食べた場合には、重篤な症状が出る確率が高いとのこと。
体重4kgの猫の場合は60gがその目安になりますが、玉ねぎ1/4個がこれに当たります。
これだだけの量を猫が食べる機会はそうはないと思いますが、子猫の場合は、特に注意が必要かもしれません。
また、先述の通り、重篤な急性症状が出ない場合でも、何かしらの悪影響が出ている可能性は十分にあります。
よって、愛猫が少しでも玉ねぎを食べてしまった場合には、速やかに獣医に診せ、その判断を仰ぐことが望ましいでしょう。
玉ねぎの量と重さの関係については、以下のページを参照していただければイメージしやすいと思います。
応急処置
猫が誤って玉ねぎを食べてしまた場合は、速やかに獣医の診察を受けることが大切です。
すでに症状が出てしまっている場合は、脱水症状を避けるために水分補給をする、体を温めるなどの応急処置をしてあげて下さい。
とは言え、自分でできることには限りがあります。
オキシドールを飲ませて玉ねぎを吐き出させると言う人もいますが、素人が行うにはリスクも伴いますので、積極的にお勧めはできません。
何よりも優先して、迅速に獣医に診せる努力をしましょう。
治療
タマネギ中毒を起こす原因となる有機硫黄化合物に対する解毒剤は、存在しません。
よって、表れる症状に対して、①ビタミン剤の投与、②強心剤の投与、③利尿剤の投与などの対処療法が行われます。
特に症状が重篤な場合には④輸血が行われることもあるらしいですが、いずれにせよ、獣医に任せるより他はありません。
素人がどうにかできる問題ではありませんので、猫がタマネギを食べてしまった場合は、速やかに動物病院に連れて行くようにしましょう。
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