“ハブを使うと転送速度が低下する”と言う声を耳にする機会が多いのですが、本当なのかどうか気になり、実験してみることにしました。
最近ではUSBポートを1つしか持たないMacBookの存在もあり、一定の関心を集めるテーマであるとも言えますが、早速その結果を投稿したいと思います。
はじめに
実験の趣旨は、2つの外付けHDD間でデータを転送するにあたり、PCにある2つのポートのそれぞれにHDDを接続した場合と、1つのポートにハブを噛ませて2つのHDDを接続した場合の転送速度の違いをチェックしようと言うもの。
1つのポートに(ハブを使い)複数のHDDを接続すると速度が落ちるとする通説の真偽を確かめるべく、条件ごとに2つのHDD間で同じ量のデータを転送してみました。
最近ではAppleの“MacBook”のようにUSB接続ポートを1つしか持たないパソコンも存在し、複数の外付け記憶装置を同時に接続する場合にUSBハブを使用する機会が増えていますが、それが転送速度に与える影響を明らかにしようと考えた次第です。
実験方法
実験の趣旨を述べた以上改めて説明する必要もないと思いますが、パソコンにある2つのUSBポートのそれぞれに外付けHDDを接続した場合と1つのポートにハブを噛ませて2つのHDDを接続した場合の転送速度の違いの有無を明らかにすべく、両条件ごとに片方のHDDのデータをもう片方にコピーしてそれに要した時間を計測しました。
使用したパソコンは“MacBook Pro Late,2016”で外付けHDDはSeagate製、転送したデータの量は60GB、関係する機器は全てUSB3.0規格での転送に対応しています。
結果
ハブなし | ハブあり | |
所要時間 | 10分 | 10分 |
転送速度 | 100MB/秒 | 100MB/秒 |
上の表にまとめた通り、USBハブを使用した場合とPCの2つのUSBポートそれぞれに直接HDDを接続した場合の転送速度は全く同じでした。
私自身(ハブを使って)1つのポートを拡張すると転送速度が低下すると言う通説を信用していただけに意外な結果になったと言えますが、実際には全く影響を受けないようですね…。
念のためデータ転送先の外付けHDDを別の個体に変えてみても全く同じ結果が出ましたので、少なくともUSB3.0環境ではハブを仲介して1つのUSBポートに複数の外付けHDDを接続することによるデメリットはないと考えて間違いないでしょう。
終わりに
今回の実験により、USB3.0規格であればハブを使用しても転送速度の低下が発生しないことが明らかになりました。
特にMacBookについては接続ポートを1つしか持たないことを懸念される方も少なくないようですが、実際のデメリットはUSBハブの使用により余計なスペースを必要とすることくらいしかないと考えてよいと思います。
コメント
USB3.0だと5Gbpsの帯域幅があるので、HDDの転送速度が110MB/s程度と考えると、2台使っても速度低下は起こりにくいのではと思います。
外付けSSDだと、400MB/s以上出るものが大半なので、それを2台同時に動かした時に影響があるのか、機会があればご検証お願いします。
かおすな様、コメントありがとうございます。ご指摘の件、承知いたしました。当方、現状では外付けSSDを使用しておりませんが、機会がございましたら是非調査してみたいと思います。