はじめに
はじめに、フォーマットとはどのようなことを指すのかを確認しておきましょう。
なお、フォーマットと言う言葉は様々な分野に広く用いられるので、語弊を避けるためにも、HDDのフォーマットについては”ディスクフォーマット”と呼ぶのがよいかもしれません。
ディスクフォーマットは簡単に言えば初期化と言う意味であり、ハードディスクをパソコンなどの機器で使用できる状態にすることを言います。
フォーマットはデータの削除であると考える方も少なくないようですが、正確には少々違うようですね。
もちろん、特別なことをしなければフォーマット後に以前のデータにアクセスすることはできないので、フォーマット=データの抹消と考えてしまうのも当然だと思いますが・・・。
また、フォーマットには、①物理フォーマットと②論理フォーマットの2種類があるのですが、詳しくは以下を読んで欲しいと思います。
物理フォーマット
物理フォーマットとは、ハードディスク全体を規定のパターンで書き直すことであり、完全な初期化を意味します。
よって、物理フォーマット後に以前のデータを復旧することはできません。
より具体的に言えば、ディスク内部をセクタと呼ばれる区画に仕切る作業のことを言いますが、HDDを製造する過程において、専用の機器を使って行われます。
私たちが新品で購入するハードディスクは、この物理フォーマットがなされた状態と考えてよいでしょう。
ちなみに、フォーマットの失敗によりディスクが故障してしまうリスクもあることから、一般のユーザーが物理フォーマット行うことはできない仕組みになっています。
倫理フォーマット
私たちがパソコンを通して行うことができるのは、この論理フォーマットです。
論理フォーマットは、物理フォーマットが行われたハードディスクのセクタに番地を降り割ることで、それぞれのセクタの位置を把握できるようにする作業のこと。
ハードディスクを使用するためにはこの論理フォーマットを行う必要があるのですが、新たに購入したHDDをフォーマットすることは、既に皆さんご存知ですね。
なお、物理フォーマットはHDD製造の過程で行われていますので、私たちが行う必要はありません(そもそも一般が行うことは不可能ですが・・・)。
また、詳しくは後述しますが、かなりの確率でデータの復元が可能なことが物理フォーマットとの違いでもあります。
クイックフォーマット
Windowsのパソコンで論理フォーマットを行う場合、”クイックフォーマット”を選択することができます。
クイックフォーマットでは、必要最低限の処理をすることでフォーマット時間を圧倒的に短縮することができますが、少なくとも新品購入したHDDであればこちらで全く問題ありません。
出荷前に完全に物理フォーマットされているわけですから、不具合が発生することはまずないでしょう。
一定の期間使用したハードディスクを再フォーマットする場合には、通常の論理フォーマットを選択するのがベターではありますが、かなりの時間を要することに・・・。
ディスクの容量にもよりますが、完了まで数時間かかる場合もあり、やはり一瞬で作業が終わるクイックフォーマットの方が効率がよいと言えますね。
なお、クイックフォーマットであれ通常フォーマットであれ、私たち一般ユーザーがパソコンで行うことができるのは論理フォーマットです。
”クイックフォーマットが論理フォーマットで通常フォーマットが物理フォーマット”と考える人もいるようですが、残念ながら正しくありませんので注意して下さい。
データの復元と抹消
物理フォーマットと論理フォーマットの最大の違いは、フォーマット後のデータ復元の可能性です。
まず、私たちが行うことができる論理フォーマットですが、こちらの場合はデータがハードディスク上に残るため、復元できる確率がかなり高いとされています。
もちろん、パソコンには以前のデータは表示されませんが、その痕跡がディスクに残るため、特殊なソフトや機材を使用することでデータの復元が可能。
復旧作業を行い料金を得ている業者も存在するので、誤ってフォーマットしてしまった場合にも焦らずに対応して下さい。
逆に、情報漏えいの観点からは、論理フォーマットしただけでは全く不十分なので、パソコンを譲渡する場合や廃棄する場合には注意が必要です。
一方、物理フォーマットを行った場合にはデータの復元は不可能又はかなり困難であると言われていますが、先述の通り、私たちがこれを行うことはできません。
よって、データを完全に復元不可能な状態にしたければ、特殊なソフト(データ抹消ソフト)を使用することになります。
データ抹消ソフト
データ抹消ソフトでは、ハードディスク全体にデータを上書きすることで旧データを復元できないようにします。
結果、物理フォーマットと同じ効果を得ることができるのですが、ハードディスクにデータが上書きされた場合、旧データの復元は困難になるため、極めて有効な手段と言えるでしょう。
一般ユーザーでは不可能な物理フォーマットを、データ抹消ソフトを使うことで再現することができると言ってもよいかもしれませんね。
抹消ソフトは6,000~7,000円ほどで購入できますし、フリーで入手できるものもありますので、パソコンやHDDを処分する場合に活用されることをお勧めします。
終わりに
今回は、物理フォーマットと論理フォーマットの違いについて投稿してきました。
最後に、私たち一般が行うことができるのが論理フォーマットであることを、もう1度確認しておきたいと思います。
コメント
倫理フォーマット(笑)
全体的にはとてもわかりやすい
メールアドレスの形式で弾かれてコメントやめそうになった
任意でよくないですか?