選挙カーでは運転手も助手席もシートベルト不要って本当なの!?

選挙カーでのシートベルト

選挙運動期間中は選挙カーでの選挙運動を行う候補者が多く、たくさんの選挙カーが通行していますが、運転者や同乗者がシートベルトを着用していないことも珍しくありません。

果たしてこれは合法なのでしょうか。

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法律による着用免除

選挙カーで選挙運動を行う場合において、その運転者と同乗者のいずれも法律によりシートベルトの着用が免除されます(道路交通法施行令第26条の3の2第1項、第2項)。

以下で、その根拠を詳しく解説します。

Memo

選挙カーで選挙運動を行う場合は運転手も同乗者もシートベルトの着用が不要

運転者の着用の免除

法第71条の3第1項ただし書きの政令で定める止むを得ない理由があるときは、次に掲げるとおりとする。

(第1~7号省略)

8 公職選挙法(昭和25年法律第100号)の適用を受ける選挙における公職の候補者又は選挙運動に従事する者が同法第141条の規定により選挙運動のために使用される自動車を当該選挙運動のために運転するとき。

道路交通法施行令第26条の3の2第1項より

自動車の運転手がシートベルトの着用義務を負うことは説明するまでもない大原則ですが、①病気のためシートベルトの着用が適当でない者が運転するとき、②緊急自動車の運転手が緊急自動車を運転するとき、③その他政令で定めるやむを得ない理由がある時はこれを免除されます(道路交通法第71条の3第1項)。

道路交通法施行令は③の政令で定めるやむを得ない理由のうちの1つを“選挙における公職の候補者又は選挙運動員が選挙カーを運転するとき”と規定しており、これを根拠に選挙カーの運転者がシートベルトの着用を免除されるのです(道路交通法施行令第26条の3の2第1項)。

同乗者の着用の免除

法第71条の3第2項ただし書きの政令で定めるやむを得ない理由があるときは、次に掲げるとおりとする。

(第1~7号省略)

8 公職選挙法の適用を受ける選挙における公職の候補者又は選挙運動に従事する者を同法第141条の規定により選挙運動のために使用される自動車の運転席以外の乗車装置に当該選挙運動のため乗車させるとき。

道路交通法施行令第26条の3の2第2項より

自動車の同乗者にもシートベルトの着用が義務付けられていますが、①シートベルトを装着させることができない幼児及び②病気のためシートベルトの着用が不適当である者、③その他政令で定めるやむを得ない理由がある時はその着用を免除されます(道路交通法第71条の3第2項)。

運転手と同じく、道路交通法施行令において選挙運動中の公職の候補者又は選挙運動員の選挙カーへの同乗が③のその他政令で定めるやむを得ない理由があるときの1つと規定されているため、これを根拠に選挙カーへの同乗者がシートベルトの着用を免除されるのです(道路交通法施行令第26条の3の2第2項)。

身の乗り出しはNG

(前略)ただし、自動車の窓枠等乗車設備以外の場所に乗車したり、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがある方法で進行中の自動車から身体を出す行為については、道路交通法で禁止されていますので、これらの行為が認められた場合は、適切な指導取締りを実施いたします。

(警察本部 交通指導課)

山形県ホームページ“選挙カー乗車の際のシートベルト着用について”より

シートベルトの着用が免除されているとは言え、選挙カーの窓から極端に体を乗り出すなど交通の危険を生じさせる恐れがある行為は道路交通法違反であり、取り締まりの対象とされる可能性があります。

上に載せたのは山形県の発表ですが、選挙カーから身体を乗り出す行為が指導取り締りの対象になり得ることを明らかにしています(山形県“選挙カー乗車の際のシートベルト着用について”)。

法律の解釈の問題もあり、具体的にどこまでが許容されどこからが違法と判断されるのかは各地域の警察あるいは警察官個人の裁量による部分が大きいと思われますが、選挙運動中の選挙カーなら何をやっても許されるわけではないことを覚えておきましょう。

まとめ

選挙における公職の候補者と選挙運動員は、法律により、選挙運動中の選挙カーの運転及び同乗時のシートベルト着用を免除されます。

しかし、選挙カーの窓から身を乗り出すなど交通の危険を生じさせる行為や交通の妨害となる行為を行うことは許されず、指導や取締りの対象とされる可能性があります。

まとめ

  • 選挙カーでの選挙運動中の運転手と同乗者はシートベルトの着用を免除される
  • 選挙カーの窓から身を乗り出す等の行為は指導や取締りの対象となる可能性がある

終わりに

今回は、選挙カーでの選挙運動におけるシートベルトの着用義務について投稿しました。

選挙カーにて選挙運動を行う公職の候補者と選挙運動員は、選挙カーを運転する場合、選挙カーに同乗する場合のいずれにおいてもシートベルトの着用を免れますが、しっかりと交通の安全を確保し、選挙運動を行って欲しいと思います。

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