勾留と拘留の違いとは!? 刑事事件の用語を正しく理解しよう!

女性弁護士

”勾留”と”拘留”は、いずれも”こうりゅう”と読む刑事用語ですが、皆さんは両者の違いをご存知でしょうか。

今回は、それぞれの用語の解説と、両者の違いについて投稿しようと思います。

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はじめに

勾留と拘留の違いを理解するためにも、刑事事件の流れを簡単に確認しておきましょう。

刑事事件が発生すると、警察等の捜査機関により被疑者が特定され、必要であれば逮捕が行われます。

もちろん、逮捕が行われない場合もありますが、詳細は下の図をご覧下さい。

逮捕された場合には警察による取り調べが行われ、その後、被疑者の身柄が検察庁へと送られます(身柄送検)。

そこで今度は検察官による取り調べが行われ、起訴・不起訴が決定されますが、不起訴となればその時点で事件が終了し、被疑者の身柄は釈放。

疑いは晴れたわけですから、被疑者に前科が付くこともありません。

一方、起訴された場合は被疑者が被告として裁判を受けることになり(公判)、有罪の判決が下されれば、被告は懲役や禁錮などの刑に服することになります

詳細は、下の図の通り。

刑事事件の流れ

※ 上の図は、茨城県警HP”警察に届け出した後の手続き”より引用。

勾留

被疑者もしくは被告の身体を拘束することを、勾留と言います。

勾留はさらに、被疑者勾留被告人勾留の2つに分類されますが、以下で詳しく見ていきましょう。

被疑者勾留

逮捕の効力で被疑者を拘束可能な時間は、最長で72時間(警察が48時間、検察で24時間)と決められています。

逮捕による身柄の拘束時間が、意外にも短いことを覚えておいて下さい。

警察は逮捕後48時間以内に検察へ被疑者の身柄を送検しますが、起訴に発展する可能性がないと判断された場合は、送検せずに被疑者が釈放されることもあります

送検された場合には、逮捕により被疑者を拘束できる時間は24時間しか残っていません。

その間、今度は検察官による取り調べが行われますが、引き続き被疑者の拘束が必要と判断された場合には、検察官が裁判所に勾留請求を行います(勾留請求)。

これが認められた場合には、逮捕後72時間を経過した後も被疑者の身柄が拘束されるのですが、これこそが被疑者勾留なのです。

被疑者拘留の目的は、さらなる捜査が必要な場合において被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐことですが、引き続き取り調べが行われることは言うまでもありません。

また、勾留期間は勾留を請求した日を含めて10日間ですが、さらに10日間延長されることもあります。

よって被疑者は、逮捕(48時間+24時間=3日)も含めると、最長で23日間身柄を拘束される可能性があると言えますね。

もちろん、勾留請求を行ったものの裁判所がこれを却下した場合や、その必要性がないと検察が判断した場合には、勾留は行われません。

被告人勾留

被告人の身柄を拘束することを被告人勾留と呼びますが、その対象が被疑者ではなく被告人であることに注目して下さい。

逮捕と勾留期間(最長23日)に公訴の提起(起訴)が行われた場合、被疑者は被告として公判を受けます。

起訴された時点で、被疑者から被告人になることは有名な話ですね。

被疑者勾留中に起訴が行われた場合には、特別な手続きを経ることなく被告人勾留が開始されますが、その期間は2ヶ月(必要であれば1ヶ月づつ更新)。

よって被告は、勾留された状態で裁判に臨むことになります。

同じ勾留でも、被疑者の身柄を拘束するのが被疑者勾留、被告人の身柄を勾留するのが被告人勾留と考えれば理解しやすいでしょう。

拘留

”拘留”は、我が国における刑罰の1つであり、受刑者を拘置(監禁)することを言います。

刑罰とは公判により有罪が確定した被告に課せられる罰ですが、懲役や禁錮、罰金等の言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

この拘留も、それらと同じ刑罰なのです。

禁錮同様、受刑者が作業をする必要はありませんが、その期間がより短い(30日未満)ことが特徴と言えるでしょう。

ちなみに、判決により拘留が確定する件数は年々減少しており、2015年においては5件のみ。

それはさておき、拘留が、逮捕から公判までの被疑者もしくは被告人の身柄を拘束する勾留とは全く異なることをご理解いただけると思います。

また、勾留が公判の判決が確定する前の出来事であり、拘留は判決後の出来事と言うこともできるかもしれませんね。

終わりに

勾留と拘留の違いをご理解いただけましたか?

自分とは縁がない話のようにも思える刑事事件ですが、社会における重要事項でもありますから、一定の知識を身に付けることが望ましいでしょう。

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